Case Study_168

導入サービス:EIRLCloud

AI画像診断

ご支給ください

米島医院

石川県能美市大成町ト 118-6

1.導入の背景:「レントゲン検査の強化」と「AI 活用」を求めて

地域の方々へ必要な検査を必要な方に届けるべく、生活習慣病の管理や肺がん検診を含むレントゲン検査を重点的にやっていきたいと考えていました。レントゲンの読影に関して私一人では不安を感じることもあり、放射線科の先生や医師会に読影をお願いするのも一つかと考えていたタイミングで EIRL を知りました。数ヶ月前には大腸内視鏡 AI を使う機会もあり、こうした新しい技術やAI には興味を持っていたので、AI 活用の流れと自分が求めていることが合致するタイミングだったこともあり、EIRL 導入を検討することになりました。

2.導入の決め手:X 線検査では「存在診断」を重視しEIRLの開発方向性に共感

画像診断 AI は今後、必須になってくると思いますので、アンテナを張る中で、大変意義が大きいものだと思い導入させていただきました。診断には「質的診断」と「存在診断」がありますが、大腸内視鏡 AI においてはまだまだ存在診断の方に重きがあり、質はまだまだといった印象です。ちょっとした気泡や正常粘膜の少しの盛り上がり、便のカス等色んなものを拾いますので、検査の邪魔になってしまう印象でした。一方で、レントゲンは、結局は質的診断は難しいところだと思います。分かりにくいところがあっても、見落としを防ぎ、必要ならば精密検査に進めるという点において、存在診断が大事な領域だと思っています。EIRL の技術で言うと、感度を保ちながら偽陽性を抑えるという考え方は臨床医とある程度マッチしていると思っています。心陰影の裏など EIRL 対象外の領域はありますし、レントゲンである以上限界はありますから、最低限の「漏れ」は仕方ないと思います。そこは医師の目でしっかりと診ることが必要です。

3.活用方法:進歩し続ける外部連携ソフトを有効に活用し、診療の幅を広げる

当院では、通院されている患者様に加えて、企業健診も含め、1日約5件の方にレントゲン検査を実施しています。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で時間的に余裕が少ないため、診療後にまとめて解析を行っています。
コロナが落ち着いてきましたら、撮影後、すぐに AI 解析を行い、解析結果を参考にしながら読影結果を説明する予定です。今回のレントゲン AI 機能だけでなく、様々な外部連携ソフトを上手く使いこなすことが、診療レベルの向上に直結すると考えています。そのためには同時に多くのソフトを展開できる環境が必要であり、新医院の建設に際しては、診察室にモニターを6台設置しました。結果として、診療の幅が以前より広がりました。今後も新たに登場するソフトとの連携に可能性を感じています。

4.活用所感:過去検査の「肺がん」を漏れなく指摘

過去に当院で実施したレントゲン検査の画像を EIRLに読み込ませたところ、その後の検査で肺がんと診断された方の直前のレントゲンでしっかりと検出されていましたので、驚きました。正直言うと、私では拾えないかもしれないと思う例も結構ありました。費用的にも安いということもありますが、これからも益々発展する領域だと思いますし、今後のアップデートに期待を込めて利用していきたいと思っています。

5.導入効果:多忙時の時間短縮とリスクマネジメント

EIRLに指摘された箇所を自分でも濃淡を変えながら見ると確かに結節かもしれないと思うことはありますが、忙しい外来中に全て細かく読み込む時間を常に確保出来るとは限りません。そうした際に時間を短縮してくれる可能性は十分あるのではないかと思っています。
勿論、頼り切らずに自分の目でもしっかりと診ないといけないとは思いますが、ある程度 AIや EIRLの力を借りながら、最終的には見落としなくやっていきたいと考えています。
患者さんの中には人生が変わる方もいつか絶対にいらっしゃるのではないかと思いますし、リスクマネジメントに寄与すると思っています。これが100万、200万など大きな額でなくとも行えるのは良いことですね。

6.AIへの展望:新たな検査手法の開発などAI の可能性に期待

臨床医の立場としては、レントゲン検査で異常所見があった場合にも、CT 検査まで行かなくても、レントゲン検査で何かもう一工夫出来ると嬉しいですね。正面撮影で認めた異常所見に対して、撮影角度や呼吸状態、撮影機器の追加など条件をかえて撮影し、情報量を上乗せすることで、解析精度を高く導くことができるかもしれません。現実的じゃないような案も組み合わせながらやっていけたら面白いのではないかと思いますし、本当に今後が楽しみな領域だと思います。